"瀬上沢"地区とは

横浜の南部”栄区上郷町”にあり、横浜の里山・谷戸の原風景を思わせる緑の多いところです。
三浦半島から続く三浦丘陵の緑の、今では北端の位置になっています。
"瀬上沢"地区は、隣接する瀬上市民の森・上郷市民の森・氷取沢市民の森等と共に、都市化、住宅化開発の進みきった横浜に残された、最も貴重な緑地地域と言えるでしょう。

せがみりょく

西の森と東の森を隔てる舞岡上郷線沿いの桜
瀬上池
西の森・深田谷戸、干上がっていることもあります

"瀬上沢"とは

谷戸(三方が閉じた谷間の地形)の湧水を集め豊かな緑に囲まれた瀬上池から流れでる小さなせせらぎです。 この周りの谷間や今は耕作されなくなってしまった田畑の跡の湿地にも、四季折々に美しい花々や珍しい植物が数多く咲き、秋には美しい紅葉も楽しめます。
ここは、横浜最大のホタルの生息地であり、オオタカ、コサギ、カワセミなどの野鳥たちや蝶、トンボなどの昆虫類など多様な生き物が暮らす、人にとっても大切な自然環境です。
そして瀬上沢は、いたち川本流に注ぎ柏尾川に合流した後、境川となり江ノ島に至る小さな源流のひとつでもあります。

また、この地区には太古の時代から昭和までの、人々の暮らしの伺われる遺跡や施設跡など 文化的、学術的にも貴重な遺跡が見つかっており、恒久的な保全をすべき遺産です。
※住居跡を含む縄文遺跡・古代製鉄遺跡・古代の横穴墓群・江戸期の横堰、昭和の銃眼遺構・160万年前の化学合成貝化石露頭等があります。

せがみりょく

横堰(よこぜき)と貝化石露頭
西の森の湧き水
東の森俯瞰図。真ん中のくぼんだところが瀬上池

瀬上沢ってどこにある?

所在地:横浜市栄区上郷町
JR港南台駅の南、直線距離で1.2km程の位置です。横浜栄高校前を通る舞岡上郷線を境に西側を西の森とも呼んでいます。

最寄駅はJR港南台駅となります。 瀬上沢小川アメニティ入口まで歩いておよそ20分~30分程度です。
他、JR大船駅、JR港南台駅、京浜急行金沢八景駅から出ているバス(いずれも神奈川中央交通)が利用できます。
最寄りのバス停は以下となります。
本郷車庫前時刻表
横浜栄高校前(※平日、土曜早朝のみ運行)時刻表

認可されなかった「上郷地区開発計画」(=瀬上沢地区)

平成18年、この瀬上沢地区に大規模な開発が計画されました。
瀬上沢地区の約33haの市街化調整区域のうち、21ha(横浜スタジアム8個相当)を住宅地として 大規模商業施設などとして変更、開発するという民間事業者からの都市計画提案でした。
この写真の比較でご覧のとおりこの計画は、幾世代にもわたって守られてきた里山の自然の"破壊"とすら言えるでしょう。
地域の住民、瀬上の自然と文化遺産、里山の大切さを知る多くの人たちとグループによる、真摯な"緑地保全"の要請活動が行われ、9万人を超える市民の署名も集まりました。

【開発計画図】
【平成19年時点鳥瞰図】

平成20年9月1日、横浜市はこの計画提案を正式に拒否、開発は認可されませんでした。
しかし、再び開発の危機が迫っています ! ! !

平成26年1月、この瀬上沢地区について、再び"都市計画提案"が提出されました。
前回の計画より開発面積は縮小したとはいえ、西側の谷戸の全てと東側の一部を市街化区域に変更し、 宅地と商業施設に変えようとする提案です。

残された大切な緑と里山の環境を、破壊から守らねばなりません。
皆様のより一層の行動と、ご協力をお願いいたします。

状況は当サイトの"新たな瀬上沢地区開発計画の状況について"のページで逐次報告いたします。
この保全要請活動を通して、瀬上沢地区の緑と里山の景観の大切さへ、 あらためて思いを深くすると同時に、周囲に宅地化開発の進んだ中、 最後の砦のようにかろうじて残る里山の、危うい状況も明らかになりました。
新たな大規模開発や、小間切れ乱開発を防ぎ、美しい里山の景観を復活、整備して この大切な瀬上沢地区の里山の環境を、子供達の世代にまで守り伝えて行きたい。
私達、「ホタルのふるさと瀬上沢基金」は 瀬上沢を愛する全ての皆さんと共に、古くからの地域住民の方々、地権者の方々、 行政部門とも協力して、着実に活動していきます。